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□【ストーカーライフ】
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「なあ、あかね」
「なに?天真くん」
「ここの庭の池。面白いもんが釣れるらしいぜ」
あかねと天真のいつもの何気ない会話。違うとすればここが京でもなく、もちろん二人の元いた現代でもないということ。
ここは天界。あかねと天真…だけではなく三つの時代の神子と八葉達はある夜、いつの間にか天界に連れてこられ、八葉は散り散りになりあかね以外の神子二人はこの世界のどこかに捕らえられていた。
彼らが天界に来てすぐピンチを救ってくれたのがこの世界を統べる北斗星君の弟。南斗星君であった。
今あかね達はその南斗星君の宮殿で世話になっていた。
「面白いものって何?」
興味いっぱいの表情であかねが天真に聞いた。
「ああ、イノリから聞いたんだがここの池、なんと『星』が釣れるらしいんだ。」
「え、星って空に浮かんでるお星様?」
天真の答えにあかねが驚く。
「ああ、さすが神様が住む土地だよな。スケールが違うぜ」
「凄いね!いいなぁ。私もお星様釣ってみたいなぁ」
「そういうと思ってさ。南斗から釣竿借りてきたんだ。一緒にやらないか?」
「わぁ、ホント!天真君。やりたいやりたい!」
あかねは両手を合わせて喜んでいる。天真はその様子を嬉しそうに見ていた。
…が、実は天真以外にも今のあかねの様子を影から見ていた人物がいた。
いや、正確にはあかねと天真、二人の様子を、である…。
「おい、九郎。聞いたか。今の」
「ああ、勝真。相変わらず見事なものだ…」
二人を物影から見ていた人物、それは天真と同じ地の青龍である平勝真と源九郎義経であった…。
【ストーカーライフ】