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□『それぞれの力』
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【正しさを蹂躙】
この学校の部活に、始めから正しさなど存在しなかった…
『近藤、おらっ…
気持ち良いか?ん?』
『Σぐっあっ//』
それは本当に始めから…。
俺自身が…
此処に入学する前から…。
だから誰も…
『ぬぁっ//ぐっ//
ひっ…炎丘っさまっ//
自分はっ…もうっ//』
ズチュ…ズチュ…
だから誰も、俺たちの…
俺のこんな卑猥な姿を哀れむ者はいなかった…。
『ぉぅぉぅ…//
見ろ近藤。一年がヨダレ垂らしながら見てるぜ//』
『Σぐっあぁああっ//』
ブシャ…ブシャ…
『お前のぶっといチンコから噴き出る…やらしい姿をよぉ…』
むしろ…これは…
一つの見せ物になっていて…俺は…また…
『Σうっと…
俺様も出たでた…//
じゃぁ一年、近藤を優しく綺麗にしてやれよ。
俺は寝る…。』
「「は…はぃっ//」」
「近藤先輩…足を//」
『くっ…//』
俺はまた…曲芸パンダのようになっていた…。
また…今日も…。
(近藤さん…)
……
…
『そうだ…誰もこれを罪とは思わないだろう…』
『Σそんな!風鎚先輩はどうなんですっ!?』
この狂った生活を…
周囲の皆は、仕方ないと言う言葉で片付けていた…。
『…俺も…
この制度のような事を楽しんだ事もあった…。
だから、自分達が被害者になったからと言って…
反対する程、落ちぶれたくないからな…』
…確かにそうだ。
いじめをしていた者が、今度はいじめ返されたからと誰かに助けを求めるなど…
愚か過ぎて、
惨めに思える…。
だからと言って…
『今更この現状を否定することなんて出来ない。
それが解っているから、俺も風鎚も…他の二年の連中も引っ繰り返そうとしているのさ…。』
『朝田先輩…』
でも、空手部はもうボロボロだった…
ボロボロ過ぎた…。
『だからだ…俺たちは何があってもお前達を守る…
だから、お前達は…学校の小さな出来事などに目を向けず…全国を目指せ…。』
『お前…達?』
その複数の言葉に、ワシは含まれているようで…
その他に二人…
『土方…永倉…』
その二人が呼ばれたのだった。
『これは満場一致の考えだ…お前達三人が、今一番全国に近い…
だから、お前達はこれから大会まで、此処での練習は控え…あいつらに知られていない場所があるから、そこで練習をつめ…。』
そして…全国に行けば…
『それが…風鎚先輩…
否、主将の願いとあらば』
ワシは…主将に向け…
深く頭を下げたのだった。