店の手伝いをしているとき、ふと窓の外を見た。
今は春も終わりごろで桜が綺麗に散っていた。
ちょうどお客もピークを過ぎ、暇だったのでしばらく桜吹雪を堪能することにした。
どれくらい桜が散る様子を見ていただろうか。
しばらくすると、不意に店の扉が開いた。
壬晴「いらっしゃ…って何でいるのさ………。」
扉の方を向き、いつもの挨拶をしようとした。
しかし、それは目の前にいた人物があまりにも久しぶりで驚いたことによって最後まで言えなかった。
それどころか、マヌケな声色で話し掛けてしまった。
『ひっさしぶりだねぇ、壬晴!
私がアメリカに留学する前だから…三年ぶりくらいだね。』
そう言うとこちらの気など素知らぬふりでにっこりと笑った。