novel

□half - half
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♪〜♪〜♪〜

仕事終わりに鳴った携帯。

ピッ…



「もしもし?」
「………」
「いたずら電話なら切りますけどー?」
「………」




わかってんだけど。
違うことは。

番号通知したいたずら電話なんて
聞いたことないし。




「いいの?ほんとに切るよ?」
「………亜弥ちゃぁ」



ったく。
…しょーがないやつ、だ。

どーしてアンタはいつもいつも…


“…はぁ……”




「ぁ…あんな?あの…ぇっと…」
「…いい」
「ぇ?」



思わずこぼれたため息に焦ったように話し出す彼女の言葉を遮る。

早口だし…聞き取りにくいっつーの。




「アンタ今、どこにいんの」
「いま…家、やけど…亜弥ちゃぁ?」


―今から行くから―




戸惑う彼女にそう告げて、電話を切った。



今すぐ行く、から…
アンタはアタシに話す内容でもまとめて待ってればいーんだから。








彼女の家に向かうタクシーの中で、ちょっとだけ考えてみた。


“同い年”
そう括られてきたわりには、同い年らしいことなんてしたことがない。

アタシはいつだって…
美貴たんとか、ごっちんとか…
少しだけ年上の人たちと一緒で。

彼女はいつだって…
年下の同期の子たちや
その下の後輩の子たちに慕われてる先輩で。





…やっぱりさ、アンタが甘えられんのは、アタシだけなんだよ。

アタシが甘えさせんのも、アンタだけ、だし。





――――――――――





玄関で出迎えてくれた彼女は、
おっきな目をぱちくりさせて
“ほんとに来たんや…”って呟いた。






「なに、来ちゃまずかったワケ?」
「ぅ、ぅぅんっ……そうやなくて…」
「…なによ」




アタシの服のすそを掴んだまま俯いて。
アタシじゃなきゃ聞き逃すくらい、ちっちゃい声が聞こえた。




「そうやなくて……嬉し、かった…///」




っ……///
…しょーがないから、彼女に向かって両手を広げてやる。
しょーがない、から、さ…///




「…ほら///」
「へへっ///亜弥ちゃぁ…///」




素直に抱きついてきた彼女は、
なんてゆーか…あったかくて。

愛ちゃんのオーラはきっと…ふわふわしてんだろーな、とか
ワケのわかんないことを思った。






「自分追いつめる前に、アタシのとこに来なって言ってんじゃん」
「亜弥ちゃぁが来てくれればいーやろ」
「はぁ?アンタ何言ってんの?」
「やって会いに行くより会いに来てもらうほーがぇぇもん」
「そんなのアタシもだし…」




アタシだけが会いに来るなんて、ふこーへいだ。
“この”アタシが、一方的に好きみたいな、そんなの。





…こんなこと言ってても、
どーせアタシは会いに来るんだろうけど。
何度も、何度でも。

アンタの弱々しい声聞いて、じっとしてられるほど…
まだ大人じゃない。




「じゃぁ…じゃぁさ」
「…ん?」
「はんぶんはんぶん…な///?」






わかってる?
愛ちゃんがアタシに会いに来るってことは
愛ちゃんがアタシの心を察知しなきゃなんないんだよ?

そこんとこ、誰よりも鈍い愛ちゃんが、そんなことできんの?




「ぁぅ…それは…」
「できないでしょ?無理言うなバーカ」
「でもっ…亜弥ちゃぁのことなら…わかるもん///」










今日から…アタシが甘える場所も、ここにしよう。
同い年なのに幼くて
ちっちゃい子みたいにわがままで

…だけど、誰よりも優しくてあったかい、キミのいる場所―










END


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