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「ねぇ…ごっちん」
「んぁ?」
「なんで、ごっちんなの?」
「んぇ?ぇーと…後藤、だから?」
「ぇー…佐藤さんで“さっちん”とか、美貴聞いたことないよ」
「…ごとーもない、かな……」




重なったオフの日。
2人で過ごそうって、午前中からごっちんが美貴の家に来た。



さっき、ごっちんが作ったお昼も食べたし…


ソファーに並んで座って、
ぼーっとしてる美貴と、
雑誌を読んでるごっちん。



どっちかがどっちかの肩に頭をもたれさせてる、でもなく
それぞれの、時間。






「…ごっちん」
「なにー?」
「どーしてごっちんはO型なワケ?」
「…遺伝ってやつだと……」
「だって美貴A型だよ?」
「それは知ってるけど…」




ソファーの背もたれに寄っかかって
ごっちんに質問し続けてる。



今のでもう…6つ目かな……?









「…みきちー、今日どうしたの?なんかちょっと変」
「別になんでもない。美貴は普通だよ」


…多分。



なのにごっちんってば、
雑誌置いちゃって
体ごと美貴のほう向いて手広げてさ、



「みきちー、おいで?」



って。
だから美貴も、
ちょっとだけ勢いつけて
ごっちんの胸に飛び込んでやった、



ごっちんが、
“おいで”って言うから抱きついたんだからね?



美貴は別に…



「かまってほしかったんでしょー?」
「…ぅん」








ゃ…ぁの…ね?
美貴だって、“かまって”くらい言えるんだよ?

だけどさ、
何も言わなくても、わかってほしい時…あるじゃん。
何も言わなくても、抱きしめてほしい時…あるじゃん。





「んぁ…みきちーの場合はいっつもだと思うけどな…」
「うるさいっ///」







美貴の場所なんだもん、ここが。








よっちゃんだったら、
「なんだよミキティ〜;」
って言うと思う。



亜弥ちゃんだったら、
「アンタいい加減にしなよ;」
って言うでしょ?





そーじゃなくて、
「おいで?」

ただ一言、その言葉がほしい。





ここにいるよ、って。
ちゃんとわかってるよ、って。


その力の抜けた笑顔で、伝えてほしい。






これが愛、でしょ?
これがしあわせ…でしょ?


恥ずいから…言わないけど…///








「ねぇねぇ」
「どしたー?」
「ごっちん、トイプー飼うの?」
「んぁー…おっきくてわがままな猫さんで手いっぱいだからいーや」
「…へ?」




ごっちん、猫…飼ってたっけ……?






END

 

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