novel

□tender lover
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「ん、んぁ…朝……?」


目を開ければ、まぶしいくらいに太陽の光。



ちゅんちゅん、ちゅん…


…愛ちゅん?

…違うか。



眠たさに負けて再びまぶたを閉じる。



ぱたぱた、ぱた…


…今度は何?






確か昨日は、
ごとーのかわいいかわいいお姫様が…



ガバッ...
「ぁ、ごとーさんおはよーやよ〜」



慌てて起き上がったら聞こえてきたのは、
愛しい彼女の声。

…けど、
目の前には、大きな布の塊。



…寝ぼけてるのかな?
目をごしごしこすってもう一回見てみる。

…やっぱり、塊。




「…たかーしぃ?」
「あーしはここやよー」


大きな塊の横から、ひょっこりかわいいお顔がお目見えした。


「んぁ…そこにいたんだ」
「ひどいやざっ」
「ごめんごめん。
 それよりたか…愛ちゃん、何してんの?」




言い換えたのは、愛ちゃんの顔が一瞬こわくなったから。
愛ちゃんって呼んでほしい、
って言われて、目下奮闘中なのです。

ってか愛ちゃん、そんなこわい顔どこで覚えたのさ。
あれでしょ、
“み”から始まって“ちぃ”で終わる人でしょ。
まったくまったく。
ごとーのかわいい愛ちゃんに変なこと教えないでよね。



…じゃなくって、
ほんとにほんとに愛ちゃん何してんの?

さっきからしてたぱたぱた音、
愛ちゃんのスリッパの音でしょ?





「掛け布団とかシーツとか…洗濯しようと思ってのー」
「そんなことしなくていいのに」



せっかく久しぶりに2人ともオフなんだからさ。
ごとーとイチャイチャしよーよー。





「ごとーさん最近忙しーやろ?
 ほやからこーゆー普段のことはあーしがサポートしたいんよ」
「愛ちゃん…」






…知ってるよ?
愛ちゃんも忙しいってこと。
革命元年、ってので、
いろんな番組出て、いっぱい頑張ってるってこと。
その上リーダー。

愛ちゃんだって疲れてるでしょ?










愛ちゃんに優しさをもらったり、
気を遣ってもらったりすること…
いつの間にか当たり前みたいになってた気がする。


ちゃんと伝えなきゃいけないときって、ある…
ごとーは、そう思ってる。






好きだから、
ずっとそばにいてほしいから、
伝えなきゃ…いけないこと。



どんなときも
どんなごとーでも
いつも変わらずに一緒にいてくれた君に―――


「…愛ちゃん、ありがと」
「急になんやぁ…///?」
「言いたくなったのー」
「今日のごとーさんは変やの」





失ってから大切だって気づくこともある。
大切なモノだったり、大切な人だったり。
その経験は、生きてく中で人を成長させる、なんてよく言うけどさ。


絶対、失いたくないんだ。
他のモノすべてを失ったとしても、愛ちゃんだけはそばにいてほしい。




「…なんでニヤニヤしてんのー?」
「ごとーさんに必要とされてる気がして…嬉しいんよ///」


そう言って頬を赤くする愛ちゃんは、すごくかわいくて。




「ずーっと必要だよ?ごとーには、愛ちゃんが」
「ぅー…もうっ///
 今日のごとーさんやっぱ変やぁ///」
「んぁっ!?なんでさー!?」
「だって普段はそんなこと言わんもんっ///」
「ぁは♪だったらなおさら愛を受け取ってよー♪」
「嫌やぁー///」





ちゃんと、守ってくから。
その、笑顔を―――





END

 

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