03/20の日記

13:39
飢渇
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飢える。
渇く。

足りないのですよ。
何かが……。

然し、満たされてはいけない。
此の渇き、此の苦しみと痛みこそが生きたる証。
其れから逃れ、一時の愉悦を求める事こそ生。

総てを手にしてしまえば、其れで幕は降りてしまう。

生きましょう。
飢えと渇きに苛まれる生こそ我が一生。

届かぬ物に手を延ばすからこそ、此の生に色が充ち満ちる。

そう
触れ得ぬ儘に求める。
其れが、今の私の生きる意味。





触れるべきでは無かった。
届く事を、知るべきでは無かった。

手にする事は、即ち興を失う事。

寧ろ私は、求める其の物を失ってしまった。

痛みも苦しみも無い。
逃れるべき物も失い、満たされたる現。

嗚呼、何と味気無いのでしょう。
求める事が生で在ったなら
求める必要を失くした今、生きる必要も又然り。

終わって仕舞った渇望。
幕を閉じた一生。

為らば、此処に在るのは1つの躯。
終わらせて下さい。

如何か、此の[生無き未来]を絶ち切って下さい。

私は、彼の御方と同じ。
既に彼の瞬間に燃え尽きた。

私を此の躯に縛る物を絶って。

誰か。

私は早く、彼の御方の御下に逝きたい。

「信長公……」


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