リクエスト部屋
□びゆことびゆこ
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繋がってるよ?
「これからは、対等な関係になるっぺよ」
そんな言葉が欲しいわけではない。
「いまさらだけども、おめでとな!ノル」
太陽のような笑顔。
今までこの笑顔にどれだけ救われたことか。周りに付き纏う闇を払い、行く先を力強く照らす光。
あたすが、愛した光。愛してる、今も。
対等じゃなくても良いあんこと一緒にいられたらよかった。
一緒にいたかった。
これから、対等になってしまったあたすたちの関係がどうなるかは解らない。
でも。離れたくはないふさぎ込んで考えていると目の前に突き出されたあんこの掌。
「…?何、あんこ」
「手、だすっぺよ」
同じように手を差し出すと、がしっと掴まれた。
「今度はおめを引っ張らね」
「え?」
「今日からは隣で支え合う」
戸惑っているとデンは真面目な顔で続ける。
「一度は離れた手だ」だけど。
「今度は離れないと誓う」
「約束だっぺ!」
差し出された小指。
あたすはそれに怖ず怖ずと自分の指を絡めた。
触れ合った温もりに泣きそうになった。
「約束だす」
たとえ遠く離れててもあたすとあんこは繋がってるよ、そんなあやふやな自信が確立された気がする。
Fin