リクエスト部屋
□Data
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どきどき。
どきどきどき。
どきどきどきどき。
………どうしよう。スッゴク緊張してきた。
強張った体を解すため、僕は大きく深呼吸をした。
今は朝の十時四十五分。
場所は、街中にあるわりと大きな公園。…の時計台のした。
……予定ではあと十五分後にフランスさんが来るはず、である。
僕にしては珍しく遅刻をしなかった。
…………だって、緊張して、嬉しくて、眠るどころじゃなかったんだ!!
僕が初めて『国』として、また、フランスさんの『恋人』として一緒に過ごす日なんだから!!!
(どうしよう、どこも、おかしくない、よね?)
緊張のあまりに自分自身をもう一度見直してみる。
袖が七分丈の白いカッターシャツに細身のデニム。靴はスニーカーでアクセサリー類は皆無。
シンプルすぎる服装。
(も、もうちょっとお洒落をすればよかったかな?)
「……身の丈に合わない服を着てもなぁ」
服に着られておしまい、って感じがするしなあ。
一人うんうん唸っていると、突然塞がれる視界。
「………うひゃあっ!!?」
驚く僕の頭上からくすくすと響く低い笑い声。
そこでようやく、後ろから僕を襲った犯人(?)の正体に気付いた。
「もぅ、何するんですか」
フランスさん、と少し甘さを含んだ声で呼びかけながら後ろを振り返った。