副。

□innocent expectation
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「実は昨日夜更かししちゃって…もしかしたら目を開けたまま寝てたのかも…」
「何だそりゃ?せーっかくこの俺様が心配してやってるってゆうのに…」
 メフィスト二世は拗ねたように口を尖らせてふいと背中を向ける。その瞬間に覗いた白い首筋に胸がどきりと音を立てた。まだ文句を言い足りないメフィスト二世はぶつぶつと何か続けているが、既に真吾の耳には届いていなかった。

  ―触れたい。この白く美しい肌に。

「メフィスト…二世」
 触れてしまえば全てが壊れてしまう。伝えてしまえば全てが失くなってしまう。今まで築き上げてきた絆も、育んだ友情も、すべて。そんなことは解っているのに。

 衝動が、欲望が、頭を身体を支配していく。

 震える手を細い首筋にそっと伸ばす。もう少し。あと、少し…。
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