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□蛮骨
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「―…ん、」
私は目を覚ました。
「―あれ…?私、確か車に………」
ふと周りを見渡した。
「………ここ、どこ…?」
そこは木や花しか無い様な草原だった。
私は確か道路にいたはず…。
せめて病院にいるはずだ。
「…病院……あっ!」
改めて自分の身体を見てみた。
「どうして…怪我一つしてない……」
ガサッガサッ
「―?!」
物音と共に何かが林から飛び出て来た。
それは、上半身は口の裂けた女だったが、下半身は蛇の化け物だった。
「―え、…な、何あれ…」
「小娘ぇぇえぇェェエ!!」
その化け物はこちらへと向かって来た。
「え、や、やだぁ…!」
私は走ろうとしたが、つまづいて倒れてしまった。
そして私のすぐ目の前に化け物が来た。
「ヒャッヒャッヒャッうまそうな獲物だ」
私はあまりの怖さに声が出なかった。
「喰ってやるうゥ!!」
その化け物は私の近くに来て、噛み付こうとした。
「―い、いやぁぁぁァあ!!」
私は反射的に近くにあった木の枝を掴んで化け物の目に刺した。