ブック
□蛮骨
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―私の運命は、最初から決まっていたのかもしれない
貴方に出会うこと、貴方に恋をすること
たくさん辛い想いをしたけど、私は貴方に出会えたことを後悔してないよ
私は貴方の事を心から愛していたから
桜が咲いている春。
私は大きな荷物を抱えてこの日本を旅立とうとしていた。
私は数年前に事故で両親を亡くして以来、ずっと独りで生きてきた。
初めは寂しくてたまらなかったが、独りであることに慣れてしまっていた。
しかし最近は何故か寂しさを感じていた。
私、どうしたんだろう…。
もう慣れてしまった感情に戸惑いを感じ、それを紛らわす為に旅行に行くことを決めた。
歩いていると、ふとボールを追いかけている子供が目に入った。
その子供は走っている道路の車の前に飛び出した。
「―危ない!!」
私は車の前に飛び出し、子供を突き飛ばした。
キキィーッ
大きな音をたて、目の前に迫っている車。
「私、死ぬんだ…」そう思い、目を閉じた。