ちょっとゆっくり

□意味
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鬼道さんが死んだら
きっと私は生きてる意味なんてないと思う。

そんなことボソッと言ったら、鬼道さんは私の頭を優しく撫でて

「お前を置いて死ぬわけないだろ」

って微笑んでくれた。


でも、鬼道さんはわかってない。
私が言った“死ぬ”はね。
生き死のことだけじゃないんだよ。

鬼道さんが側にいてくれないんだったら、私は一人。一人ぼっち。
鬼道さんが隣にいないのは、私にとって生き甲斐がないのと同じ。
生きてる意味がないのと同じ。


鬼道さんにとっては意味分からないかもしれない。

でも、鬼道さんが例え生きていたとしてもね。側にいてくれなかったら…死んだ
のと一緒なんだよ?

それなのに鬼道さんは…

「すまん…」

そう言って、帝国からいなくなっちゃったよね。
私、テレビで見ちゃった。
雷門中で幸せそうに笑ってサッカーしてる鬼道さんを。

鬼道さんは私がいなくても、ちゃんと笑えるんだね。

それに比べて私は…

孤独。孤独孤独。

鬼道さん…私、生きてる価値なくなっちゃったよ…

私を置いて行かないって、約束したよね…?
せめて、なんで雷門中に転校するの私にススメてくれなかったの?

最後に貴方が言った言葉覚えてる?

「俺にはやらなくちゃいけないことが出来たんだ

だから…


   すまん」

いつか、迎えに来るとか
待っててくれとか
なんで行ってくれなかったの?

そしたら、私…まだこんなに苦しくなかったよ

待ってたよ。いつまでも…

私だけこんな苦しい思いさせて…鬼道さんは狡いよ。

でも好きだから、まだ誰よりも大好きだから

未練がましくてごめんなさい。

だから、最後の…最期のお願い。
これから鬼道さんに会いに行くから…

一緒に死のう?

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