02/28の日記

14:54
拍手
---------------



君を愛す
story 8




君と会えていた時間なんて、君と会えていない時間と比べたら比べものにもならないのに、



忘れ方がわからない。



会わない日々で塗り潰されると思っていたのに、
一つも塗り潰されない。



忘れてしまいたい記憶は、
忘れてしまわなきゃならない記憶は、
色濃く、鮮明に、
私の脳内に残ったまま。




『恋次ー!』
「うわッ、てめ、何すんだよ…」
『今日中に仕上げなきゃいけない書類でーす。
今日は徹夜よ徹夜。』



気を抜くとすぐに思い出すから、やらなきゃならない仕事がある事は今の私にとっては凄く楽。







「あーこんなん終わるわけねぇだろうが!!」
『文句言う暇あるなら手を動かしなさい』



開始3時間目で集中を切らしたらしい恋次は、最早やる気すらないらしく完全に筆を机の上に置く。



「お前さ…」



恋次が話しかけてくるから手を止め、恋次を見れば、
恋次は頬杖をついて ジーッと私を見る。



『何?』
「無理して笑いすぎ。
前よりひでぇよ。」



無理してるなんて自分がよくわかってる。
でもそうしなくちゃ思い出すんだもの。


自分ってこんなに情けなかったっけ?って。
苛々する。
自分自身に凄く腹が立つ。



けれど、
それを通り越しても、
会いたくて堪らない…




あの別れは間違ってなんていなかったのに、
絶対、絶対そうなはずなのに。




「俺は、間違ってるなんて思ってねぇぜ?
いいじゃねぇか。何が駄目なんだよ。
人間を好きになったとかでかくくくんな。そんなん抱えきれるわけねぇ。
お前は、一護を好きになったんだ」



ずっと忘れてた気がする。


人間だとか死神だとかそんな大きなものに押し潰されて、
ちゃんと一護の事見れてなかった。
一護を見てるつもりで、一護じゃない何かを見ていた。





私達は確かに今、
生きているのに。





「泣くのかよ」
『うっさい!恋次がらしくない事言う ッ‥から…』



ほんとはずっと、
誰かに言って欲しかったのだろうか。
間違ってない、ただその一言を。




「もう一回、真っ正面から向き合って来いよ。」




いいのかな。
まだ許されるのかな。
私から切ってしまったのに、
頑張る事は間違いじゃないかな?




「それによ、彼奴もそんな簡単に諦められるわけねぇんだよ」



恋次は薄く笑いながら扉の方を見て。




「なぁ?」
「当たり前だろ」




その声に驚いて振り向く。
そこに立っていたのは会いたくて仕方なかった人。



『い…ちご…』










涙が出た。


君が、


会いたくて、


好きすぎる、




そんな人だったから。






君が居なきゃ笑う事さえ下手になって



(世界で一番遠い遠距離恋愛でもいい)
(貴方を愛して)(貴方に愛されて)(いたかった)





TO BE CNTINUED...

前へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ