10/31の日記

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君を愛す
story 6




彼女と初めて会ったのは俺がルキアを助ける為に行った尸魂界でだった。



全てが終わって、
多少の問題がおこったものの、平和になった其処で、
完全復活を遂げた剣八に追いかけ回されていた俺を助けてくれた。





一目見たとき、綺麗な奴だと思った。






か細くて、柔らかそうで、淡い感じで。








思えばあの時にはもう既に好きになっていたのかもしれない。



話してみると案外お喋りで、でも何処か気品があって、
仕草や言葉遣いも女らしくて、




話せば話す程 俺こいつの事好きなんだって思った。








実際向こうも同じ気持ちだったと知ったのは、現世に戻った後、彼女が任務で現世に赴いて来た時の事で、

ただ 嬉しいという気持ちでいっぱいだった。






それからほどなくして彼女は尸魂界に帰り、会えなかった日々。





そして、本当に久しぶりに会った彼女が、











俺に何かを言いにきたんだと勘づくのはすぐだった。










彼奴が現世に来てから2ヶ月。
昼間は馬鹿みたいに明るくしてて、
夜は一人でひたすら考え事をしているのを俺は知っていた。



「風邪ひくぞ」
『あ、起こしちゃった?』



彼女はへへへと苦笑して、立ち上がる。


こういう時死神って便利だよななんて、現実だけど非現実な真実に笑う。




彼女のスカート風に改造された死覇装と、
長い髪が靡いていた。




『一護』
「何?」
『私はさ、一護と出逢えて幸せだったと思う。』
「いきなりなんだよ」




こっちを見た彼女の顔は、見たことないくらいに作られたいっぱいいっぱいの笑顔で、
俺は思わずその身体を抱き締める。




『…どうしたの?』




声は微かに鼻にかかり、
そのほせー肩には力が入っていて。




あんな顔させたくて好きになったわけじゃない。
付き合ったわけじゃない。





なのに…
俺達はどこから間違った?
何を間違った?





抱き締めた腕に力をこめると、敏感な彼女はそれに気付いて 小さくごめんねと呟く。




それは確かに俺の耳に届いてしまった。



















君を守れるだけの力が欲しかった








(どうしようもない程に)(愛していたけど)
(きっと俺達は、)
(愛し方を知らなかった。)










To Be Continued..



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