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□夢、それは
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「刹那っ」

碧の瞳。それは愛しい人。

「…ろ、………ニール」

慣れない名前を口にする。かつての名前は彼が封じた。

「…まだ慣れないか?」

「…ごめん」

「謝ることじゃない。…大丈夫。ゆっくり覚えて?」
彼の優しさは、俺の心を掴んで放さない。
これが、愛と云うモノなのか。


「…ニール」

「何?刹那」


「…何でもない」

「変な刹那っ。…あ、そだ。ライルがどっか行こうって」

「…そうか」










「刹那っ、ニィールっ!遅いっ!」

翠の瞳。たった数分違いの、彼の兄。





一卵性双生児らしい。

「…で、ライル?何処に遊びに行くんだ?」

ニールの声は優しく澄んでいる。

「美術館!アレルヤとティエリアが今向かってる」

ライルはニールと同じ声だけれど、少し低くて俺は嫌だ。


「は?…何処の」



「…フランス」

「「…遠っ!!」」
ハモった。けど、本心。


「ここを何処だと思ってんだ?…アイルランドだぞ?」

ニールが呆れた声を出す。


「フランスなんて近くだぜ?ガンダムなら30分もかからない距離だ」

その考えに、俺も溜め息を吐く。


「ガンダムの話はするな、ライル」

「おー、怖。……はいはい。すみませんねぇ」


さすがにニールの怖さには勝てないらしい。


………兄貴のクセに。


いい気味だ。





ニールの車に3人で乗り込む。運転席にはニール。助手席に俺。後部座席にライルが独り。

「ライルは運転が荒いから駄目!」

ニールが厳しく諭す。

「…ちぇっ」


惜しいな。運転の腕はプロ級なのに、荒さが目立つ。それがライルの欠点だ。


「…飛行機で行くのかよ。何時間かかると思ってんだぁ?」


「「お前が言う台詞じゃない!」」

「………。ハモんなよ。淋しいだろー」


全然、淋しくなさそうだ。



――とりあえず、出発。


今日はどんな日になるだろう?
例えば、5人で仲良く。
昔のように。

例えば、5人で喧嘩。
昔のように。


そんなことを考えていると、いつの間にか眠ってしまっていた―――――――






END
強制終了。
夢オチだったりして。(笑)
日記でライル書かないとか言っておきながら、この始末。( ┰_┰)

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