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□過去拍手お礼
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「ね、これ素敵じゃない?」

兄であるイアンの前で、振袖を着たあたしは一回転する。

「いいんじゃねぇか?」
「やっぱり?さすがあたしの美的センスは間違ってなかったわねっ」

今日は成人式。
この日をすごく心待ちにしていたのは、あたしだけではないだろう。

「会場まで送ろうか?」
「ううん、エミリオが来るから」
「ああ、そうだったな」
「あれ?心配?」
「そっ、そんなことないぞ!」
「大丈夫よ。エミリオはそんな人じゃないもの」
「わかってるが…」

少し控え目なインターホンの音に、「エミリオだ」と呟いて玄関へと駆ける。


「行ってきまーす」
「気を付けろよ」
「はーい」

ドアを開けて、エミリオの家の執事が運転する車へと乗り込んだ。

「ありがとう」
「礼を言われることじゃないよ」
「そうかしら」
「ああ。それにしても、今日は一段と綺麗だね」
「そんな…」


袴を着込んだ彼も、いつもより格好良かった。にっと笑うエミリオに頬を染めると、くつくつと笑われる。


「わ、笑わないでよ…」
「可愛いよ、リーサ」
「…エミリオ」


















「きゃー!父さんったらキザなのね!」
「そうよ。はい、話は終わり。もう寝なさい」
「はぁい」

寝る前に話を、とせがんだクリスに話をして、毛布を上にかけてあげる。
リヒティは既に隣で寝ていて、顔にかかる髪を撫でて直した。


「クリスの成人式には、あたしの振袖着せてあげるからね」


思い出したように呟くと、クリスはもう夢の中だった。

「もう、聞いてないか…」


その様子にふと微笑んで、2人の部屋のドアを閉めた。




2010.1.11.
久しぶりすぎて、忘れてた。
やっぱりエミスメはイイw
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