11/23の日記

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BL注意! バイオハザード
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ピアーズ×クリス

ピアーズ生還エンドを捏造してます。


















































『repeat』



ピアーズが生還できたことは、何よりの報酬であった。クリーチャーと化しかけたピアーズ、いや、半身は既に異形のモノになっていた訳だが、それでもハオスを撃破し、二人で生き延びることに成功した。だが、治療はまだ完璧ではない。ワクチンを打ち続けているが、ピアーズの外見的、内面的な一部はまだ時折人らしからぬ反応を見せる。拒絶反応も見られ、酷い副作用に喘ぐ毎日。いっそ助からない方が良かったのではないかとも思えたが、それでも俺は思ってしまう。良かった、と。
廃墟の地下深く、研究所を兼ねた病院の一番奥の厚いコンクリで覆われ隔離された部屋、つまり処刑室でピアーズの治療は行われている。俺だけは特例として部屋に入ることが出来るようにした。俺を含め、研究員、医師達は勿論銃火器を肌身離さず持っている。いつでもピアーズを殺せるように。

毎日、壁に反響する絶叫が鼓膜を突き破って脳を刺す。ピアーズの痛みは俺には分からない。幾つも注射を打たれ、ワクチンに侵されているのではないかと錯覚してしまうほどに、治療の時間は拷問のような激情に部屋は満たされる。この地獄は、二日ないし三日に一度、半日かけて行われるのだから、ピアーズの苦悩は計り知れない。だが、たまに訪れる平穏の時、つまりワクチンにウィルスへの影響が何一つなかった時、俺はピアーズの側にいる。その時ばかりは他の奴らは部屋から追い出し、監視カメラも切らせる。十時間経って俺が出て来ない時は、壁に所狭しと備え付けた火炎放射器からナパームを噴射するようにと命令をしてあるが、ピアーズを弄びたがっている研究員が本当にそうするかは疑問だ。

ピアーズの右腕は、状態が良ければ手の部分だけ変異が見られる程度までに回復する。今日は肘の少し上からの変異が認められるが、顔はピアーズそのものだ。


「…止めてください」


指に口付けると、ピアーズは僅かに震え、拒絶から腕を引いた。俺はそれを阻止するように強く彼の腕を握る。


「キャプテン、」


盛り上がった皮膚は大きく脈打ち、しっとりとしている。ピアーズは再び腕を引いて俺から逃げると、左手で右手を隠すように抱き込んだ。俺から目を離し、耳まで赤くなる様子に更に意地悪くしたくなってしまう。彼も本当に拒んでいるわけではない。最終的にはいつだって強請り、快楽を欲しがって俺を揺らし、俺を獣のように堕落させる。だからこそこの恥じらう姿はいつ見ても堪らない。


「嫌か?」


上目遣いに聞けば、ピアーズはハッとしてように首を何度も横に振る。俺が傷つくことに怯えているのだ。 


「キャプ、テ、好き、」


うわ言のように繰り返す彼の瞳から流れた涙を拭うと、肩を抱かれゆっくりと唇をはまれたる。右手よりも暖かく、しめっていて、直ぐに俺の唇を舌が濡らした。

俺は償いをしているのだろうか。あの時、ピアーズのこの姿にさせたのは俺だ。ピアーズはそれを後悔しているだろうか。結果、ハオスを地上に出すことなく撃破できたが、その全てを背負ってしまったのだから。だから俺はピアーズにこんな事をしているのだろうか。舌を合わせ、性器を合わせ、セックスの真似事をして、射精して、冷静になって、ピアーズを銜え、喉の奥に掛けられて、咽る俺に彼がまた口付ける。ずっと気が付いていた彼の気持ちを無視し続けてきたのに、今更優しさを見せてしまうのは、罪悪感からだろうか。



シャワーを浴び、ベッドに身を横たえる。今頃ピアーズの右腕は無数の注射器で串刺しにされ、体の内側が切り裂かれる痛みに喘いでいるのだろう。ここまで聞こえはしないが、ふと、彼の声がした。ラブユー、ラブユーと、俺を呼んでいた。








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