一個前の『今を』の対みたいな。
『過去を』
変形した腕。昆虫のような外骨格を手に入れた異型の人。
それらを見て初めに思い出した人物があの人である事が悲しかった。どんなに年月が経とうとも俺はこれからまたあの人の事を考えてしまうのだろうと思うと、あのまま記憶をなくしていたままの方が幸せだったのではないかとも思う。B.O.Wと戦う意味も、テロと戦う意味も、俺自身が存在する意味も、記憶を取り戻してからガラリと変わってしまった、いや、取り戻してしまった。これも、あの人の所為だ。
「ピアーズ、」
「!は、はい!」
「どうした?何か用か?」
足音が俺の少し後ろで止まる。予想で名前を呼べば、どうやら当たっていたらしい。ピアーズは驚いたような声を上げた。
「いえ…姿が見えたので」
「次の作戦まで少し時間がある。今のうちに休んでおけ。次寝られるのは三日後かもしれないぞ」
「あの、キャプテン」
「…何だ?」
キャプテン、そう呼ばれる度に、心臓が握りつぶされるように痛む。キャプテン、キャプテン、キャプテン。
「、何でも、ありません」
「…そうか。少し寝た方が良い。俺が見張っている」
「いえ、キャプテンこそ休んでください!」
「良いんだ。もう少し、起きていたい」
だが、そんな事がどうでも良くなる程に、B.O.Wを殺したい思いが湧き上がる。あの腕を引きちぎり、あの外骨格を突き破り、異型を物を駆逐したい。そこかしこで黒煙が上がる。不思議と、疲れも痛みも眠気もなかった。早く、戦いたい。
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ウェスカー←クリス←ピアーズ
な感じ。
次は、ウェスカーのセクハラに戸惑うSTARS時代のウェスクリを書きたいな。
うへへ、
ほいでは、
やっちまったよ、書いちまったよ。
ひとつ書いたらもう止まれないかもしれん…
バイオ6BL小話です。
『今を』
「キャプテ…」
言いかけてやめたのは、記憶を取り戻して間もない彼がとても儚く見えたからだ。
中国にて作戦活動を続けている最中に、彼は突然に変わった。B.O.Wへの憎しみがそのまま表情にまで現れるようになり、部下達に時には優しく、時には厳しく接していた人らしい姿は記憶の代わりに失われてしまったらしい。その彼が、たまに遠くを見つめている事がある。眉を下げ、誰かを哀れんでいるような寂しい目を、俺は知らない。彼にそんな目をさせる人物が、少しだけ気になった。
「ピアーズ、」
「!は、はい!」
「どうした?何か用か?」
てっきり一人の世界に入り込んでいると思ったら、彼は俺の事に気がついていたらしい。普段の落ち着いた、だが圧のある声音で、立ち上がった彼はもうBSAAの顔をしていた。
「いえ…姿が見えたので」
「次の作戦まで少し時間がある。今のうちに休んでおけ。次寝られるのは三日後かもしれないぞ」
「あの、キャプテン」
「…何だ?」
ほんの僅かだが、彼の瞳が揺れた。
「、何でも、ありません」
「…そうか。少し寝た方が良い。俺が見張っている」
「いえ、キャプテンこそ休んでください!」
「良いんだ。もう少し、起きていたい」
視線を外した彼の横顔は、怖いほどに無表情だった。もう一度あの顔を見たかった。だが、思い出した彼の瞳が俺を見ないから、俺は寝たふりをしたままBSAAのキャプテンの張り詰めた気配だけを感じていた。
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ウェスカー←クリス←ピアーズ
な感じです。
ピアーズ良いよね。
ほいでは、