2009S誕/BOOK

□It is crazy about you.
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それはあと数時間後、水平線の向こうから陽が昇ったら、新しい島に着くといった絶妙のタイミングでの事だった。
いつもは測量室で航海日誌をつけているナミがダイニングでたまたまそれを書いていた時でもあった。
コトリと自分の元に運ばれたオレンジペコの紅茶の香りを感じた瞬間、有能な航海士はこの船自慢のコックの顔を見て呟いた。



「そういえば、もうすぐじゃない。」


「俺とナミさんの愛のゴール地点までですか?」


「それはまだまだ遥か彼方まで続いているわ。」



連れないナミさんは最高だと叫ぶサンジを尻目に、ナミはサンジ以外のクルーを集めるとコソコソとアクアリウムバーに来るように触れ回った。
それは翌日の仕込みに入るサンジにばれない様に、適当にばらけて集まるようにと手の込んだもの。
一人、二人と集まるアクアリウムバーでの秘密の会議は、ナミが持っていた手帳の「3/2」の丸印が鍵となる。




『 It is crazy about you.』





「そっか!そういやそうだったな!」


「ヨホホ!そういったイベント、私はもう数十年と行っていないので楽しみですね〜!」


「航海中なら仕方ないんだけど、今回は島にも上陸するから良い機会だと思うの。」


「フフ。きっとサンジも喜ぶわね。」


「そうだよなー。あいつの職業柄、いっつも動いてばっかりだしな!」



満場一致で決まったのは、皆で贈るサンジへの感謝の気持ち。
この船の元気の源は、サンジのお陰なのだから。



「よーし!じゃあ明日は「皆で」宴だぁ!!」


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