昔々在る処に

□散花
6ページ/6ページ


トサッ、とソファーにもたれかかったら、体の力が急に抜けた。






「とりあえず、薬ここに置いときますから」





「…うん……」




彼の声は聞こえるけれど、ウトウトしていて頭に入らない。





「じゃあオレ、帰りますね」



「う、ん……。あ……」




思い出した。




「…どーかしました?」


帰ろうとしていた彼が振り返る。



「水、…水やりしなきゃ…」


体が動かない。





「水?…あぁ、ベランダの花っすよね?」




オレがやっときますから、寝てていいっすよ。

そんな声が聞こえたのでおとなしく寝ることにする。




今度はこの少年にお茶ぐらい入れてあげようか。










その後に見た夢は、今までで一番幸せで、




あの人の夢だった。




END


■□■□■□■□■□■□■


アトガキ。


追悼っぽくなりました。
この話は鹿視点も書きます。
多分です。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ