昔々在る処に

□散花
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「…何か変なこと言いました?オレ……」


訝しげな顔をする少年。


それもそうだろう。






「違うわ、気にしないで。ソファーまで引っ張っていってくれる?」





彼とあの人は違う人だと言い聞かせても、何処かしらに面影があるように思えて仕方ない。






彼もだいぶアスマに懐いていたから、影響されているのかも。





だから私は、この部屋には誰も男は入れないと決めていたのに。



彼だけは、追い返せないのだろう。






アスマと同じ温もりを感じられるような気がして。
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