昔々在る処に

□散花
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二つとも、いつ枯れてしまうか、散ってしまうか分からない不確かなモノだから。








「…私が守るしかないのね」




誰かに助けて貰おうなんて、考えたことなかった。








きっと、私を守れるのも救えるのもあの人だけだと分かっていたから。







ただ一つ後悔してるのは



アスマにこの花を見せれなかったことよ。








空から見てくれているとは言い聞かせても、一つまた一つと消えていく花を見る度に思いが募った。




今や一輪しかのこっていない花。



長くてもあと二・三日だろうけれど。


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