昔々在る処に

□最哀
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深夜の火の国。




町から少し離れた一軒家。






人々が寝静まっているその頃、奈良家の一人息子もスヤスヤと寝息をたてていた。










カタ…









シカマルに忍び寄る物音。







「…………」



ソレはシカマルの前で立ち止まる。








整った顔立ちの男だった。



…厳密に言うと、まだ微かに幼さが残っている、少年。





その少年はシカマルの布団に手を掛けた。







「…ん………」


冬にならずとも、秋風が吹いていて寒い。




シカマルは、顔を歪め寝返りを打った。



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