お題
□だから好きなんだ
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「ぉ、おじゃまします…」
『いーよ。あいさつとか。
今日は誰もいないから』
「!!」
『…ん?』
「亮……か、彼女を、
誰もいない家に連れてくるなんて…っ、
……襲う気?」
『死ね帰れ二度と来るなボケ』
「いたっ!!ごめっ、ちょ、ドア!あたし挟まってるって!!」
…たく。
…この女は、愛華。
…俺の彼女だ。
べっ、別に、
今日初めて愛華をうちに呼んだからって
緊張してねぇぞ!?
ましてや押し倒そうなんて…思ってない!!
『…適当にくつろいで。なんか飲む?』
冷蔵庫をあけながら愛華に
聞いてみる。
ま、牛乳とかジュースぐらいしか
出せな…
「酢!!」
『あ゛…?』
思わず睨む。
酢、って。酢、って何。
「狽瘁Aあの、体にいいんだってば!」
『…変に気、使ってる?』
「違うって〜…。」
愛華が困ってる。
…気を使ってるわけじゃないみたいだ。
少し考えて
「…あ、じゃぁコーヒー!!」
『…OK。』
やっとまともなのがきた。
『…お前甘党だから…、砂糖結構いるよな』
「ぁ、いらないよ。私ブラック!!」
『あ゛…?』
また睨む。
「這狽チな、なんで!?普通じゃん!!?」
『……お前苦いのダメだろ。』
初めて知り合ったときからそうだった。
将来絶対糖尿病だな、って
思えるくらいの甘党で、
苦いのは、嫌い。
「ぇと…、ぉ、大人の階段上りたいな!って…」
『シンデレラ?……、ネタ通じるか?これ。』
「とにかく!
…たまには、飲みたいな」
『…っ…!』
え、なんで。
別にダメとは言ってないから。
待て待て待て。
上目遣いはダメだからな。
ヤバいって!!
落ち着け俺!!
別にすんげー可愛い押し倒したい!!とか思ってないからな!!!
「亮?」
『はっ!!……っぶねー』
「危ない?何が?」
『なんでもねぇよ。(切り替え大事!!)
ほら、ブラック』
「ありがと」
…俺はカルピスでも飲むか。
「………」
『……ん?』
あれ?なんか熱い視線を感じるんですけど?
なんか物欲しそうな目でこっちみてるんですけど!?
『…飲むか?』
「っ…、いらない」
『……?』
ふい、とそっぽを向くと
ブラックコーヒーとにらめっこしてる。
「…」
『…無理して飲むなよ』
「無理してない」
『…どーしたんだよ?』
なんかおかしい。
いや、頭はいつもおかしいけど。
カルピスを入れたコップを持って、
愛華の隣に座る。
『…愛華?…どうした?』
「……」
聞いてみるが
答えない。
なんでまた酢やらブラックコーヒーやら
を飲みたいなんて……
…ん?