お題

□お嫌いですか
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『どーしよ…』




「…なにが?」




『えっ、なにも。』




「…あっそ。」











……これがいつものやりとりだ。




オレは里(サト)。

只今、同じクラスの魅衣奈と、

…テスト勉強をやってます。




魅衣奈は頭いいからね。


…それに比べオレなんて……





「…里。早く次。」

『あ、おう。』




明らか、レベルが違う。



それに、魅衣奈は、


…まじ可愛い。









そんな彼女に、



オレは恋してます。









『…こうか?』


「…おしい。χ代入しないと。」


『あ、そっか…』


「うん。そうそう。

…出来たでしょ?」


『…ぉう。…サンキュ』


「じゃ、次は国語やろっか。」


『うん。』












平然を装っているオレ。



内心、心臓ばくばくだ。








好き、って伝えたい。











…でも、



オレなんか…相手にしてくれないかも。







勉強のことも、


いつも無理に頼んでるし……








……



それに、















魅衣奈、には…


好きな人がいるらしい。





中学が一緒だったとか。



今は高校が違うから離れてるけど…








幼なじみだからよく
遊ぶらしい。




















オレはそれを知ってて、



魅衣奈に恋してる―――。











「里?」



『あ、ごめん。…何』



「何はないでしょ?…たまに、里って暗い顔するから」








やっば。


顔に出さないようにしてるんだけど。






「…ほら、頑張って。
責任持って、勉強教えるから!」











彼女は笑う。







オレが恋した原因は、








その笑顔なのに。
















『明日も、いいか?』


ヤバい。


「いいよ。」


抱き締めたい。


『じゃ…、明日、理科で。』


今すぐ好き、って伝えたい。


「りょーかい」


オレだけのものにしたい。


『…ありがと』


誰にも触れさせたくない。


「どういたしまして」


















ずっと、





側に居たい。



















でも、



彼女が一緒に居たいのは





オレじゃなくて………



















それでも、







『じゃ、また明日』


「うん。バイバイ」


















オレはあなたに恋してる。




















隠れてあなたに恋をするのは




罪ですか?







決して伝えられることのない想いを

引きずるのは




ダメですか?


















こんなオレを、














鈴木 里。


絶賛片思い中。




これからも、



ずっと。


















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