お題

□ぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽた
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「茜?」



『え?』



「どーしたの?」



私は、病室の扉を閉める。


『…ううん。なんでもないよ』


「そっか♪」


『……………』








(どうしよう。)




私は悩んでいた。




あることを、
言うか、言うまいか。




『遥……、あのね……』

「なに?」



ポタ、ポタ…



「えっ!?…茜…?」


『!』



だめだめ。


泣いちゃだめ。



遥に伝えなきゃ。








私は口元を抑えながら、病室にある、遥が寝ているベッドの近くの椅子に座った。



「茜…」


『っ……、ごめ…、ん』


「わかってるよ。」





『………え………?』





「自分のことは、自分がよくわかってる。
だから…、茜は言わなくていいよ?」



ベッドに座ったまま、遥は笑った。



『……、ぅうん…、私…っ』


「いいよ。無理しないで。
…僕が悲しくなっちゃう。」



『わかってるよっ!!』



「……………」



『……私が言いたいのは…っ、…そのことじゃ…っ…な、くて……!』




もう一つ。



あなたに言いたいことがあるのに。



今まで、素直になれなくて、



言えなかったこと。





『遥に……!いっぱい、言いたいこと……っ!』


「……今言って。」


『…っ…』


「もうすぐ、茜と会話できなくなっちゃうもん。
……今言って、聞かせてよ。」


『………』



やめてよ。


そんな顔で、笑わないで。





『ッ……!!』




「……僕も言いたいことあるんだ。
………先、言っちゃうよ?」




『……ヤ、ダ…っ』










ああ、




どうしよう。











ぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽた





涙が止まらない。




早く、


笑って『好き』と、伝えたいのに。

















fin...













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