お題
□ぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽた
1ページ/2ページ
「茜?」
『え?』
「どーしたの?」
私は、病室の扉を閉める。
『…ううん。なんでもないよ』
「そっか♪」
『……………』
(どうしよう。)
私は悩んでいた。
あることを、
言うか、言うまいか。
『遥……、あのね……』
「なに?」
ポタ、ポタ…
「えっ!?…茜…?」
『!』
だめだめ。
泣いちゃだめ。
遥に伝えなきゃ。
私は口元を抑えながら、病室にある、遥が寝ているベッドの近くの椅子に座った。
「茜…」
『っ……、ごめ…、ん』
「わかってるよ。」
『………え………?』
「自分のことは、自分がよくわかってる。
だから…、茜は言わなくていいよ?」
ベッドに座ったまま、遥は笑った。
『……、ぅうん…、私…っ』
「いいよ。無理しないで。
…僕が悲しくなっちゃう。」
『わかってるよっ!!』
「……………」
『……私が言いたいのは…っ、…そのことじゃ…っ…な、くて……!』
もう一つ。
あなたに言いたいことがあるのに。
今まで、素直になれなくて、
言えなかったこと。
『遥に……!いっぱい、言いたいこと……っ!』
「……今言って。」
『…っ…』
「もうすぐ、茜と会話できなくなっちゃうもん。
……今言って、聞かせてよ。」
『………』
やめてよ。
そんな顔で、笑わないで。
『ッ……!!』
「……僕も言いたいことあるんだ。
………先、言っちゃうよ?」
『……ヤ、ダ…っ』
ああ、
どうしよう。
ぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽた
涙が止まらない。
早く、
笑って『好き』と、伝えたいのに。
fin...
反省。→