短編
□LOVELY SICK
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「沖田さんといると…なんだか歯医者さんにいる気分」
彼女の思いがけない言葉に、沖田総悟は目を丸くした。
読み飽きた雑誌から、彼女の顔に視線を移す。
心なしか、頬がほんのりと紅い。
「どういう意味ですかィ?」
「なんか…呼吸がしづらいし…」
思わず口角が上がりそうになるのを抑えて、次の言葉を促す。
「他には?」
「なぜか緊張してくるし…」
「そりゃ病気でさァ」
「病院行ったほうがいいかなあ?」
彼女は深い溜め息をついた。
「意味ないんじゃないですかィ?」
「え、なんで?」
彼女は訳が分からない、という表情をしていた。
「さあ、何ででしょうねェ」
それは恋の病
LOVELY SICK