短編

□明日も明後日も明明後日も
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部屋の掃除をしよう。

そう思い立って、すぐに始めた。
エプロンに三角巾、そしてマスクにゴム手袋の完全防備で。
こんなに大規模な掃除をするのはいつぶりだろう。
それぐらい放置していた部屋。
「・・・なにこれ?」
本棚と壁の間の狭苦しい空間を覗き込むと、鈍い光が見えた。
きっと何かが光を反射しているのだ。
手を伸ばしても届かない。
ホウキの柄を使ってやっとのことで取り出す。
それにしても随分とほこりっぽい。
少し咳き込みながら、取り出したものを見つめる。
「ただの・・・紙?」
くしゃくしゃに丸められているそれを、丁寧にのばしてみる。

そして気付く。
これはただの紙ではない。
写真だ。
しかも・・・ディーノとの。

「・・・そのままにしておけば良かった」
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