office

□♪
1ページ/24ページ



「綺兎(あやと)。この書類、部長に渡して来て」

そう言って俺の頭を書類で叩いてきたのは、同僚で幼なじみの『平賀稜』(ひらが りょう)。妻子持ち。

「俺が、部長に?」

頭に乗せられたまんまだった書類を掴んでから稜に聞く。

「お前以外いねぇだろーが」
「口悪ィ」
「うっせぇ。綺兎に言われたくねぇし…いーから行け」

稜に尻を蹴られて俺は仕方なく部長の所に向かう。

「部長、書類持って来ました。ハンコ下さい…アレ?いない」

折角ハンコもらいに来たのに、肝心のハンコをくれる人がいない。
俺は、室内をキョロキョロと見回して部長を捜す。
捜してると、見たことある程度の女の人が俺に話し掛けてきた。

「あのっ…部長なら、息子さんが来たって言って、ロビーに行きましたよ」
「そうですか。ありがとうございます」

そしてニッコリと笑う。すると女の人は、顔が少しだけ赤くなった。

可愛いなぁ…女子社員。

自分で言うのも微妙だけど、俺は結構モテる。
身長186pあるし…。
まぁ、ヒョロ長いだけって言われるけど(稜に)。
…けど、筋肉だって結構、多分…ついてるし。
まぁ、そんなんどーでもいいや。

俺はとりあえず書類を部長の机に置いて、ロビーに行くことにした。

…あれ?部長って結婚してたっけ?

考えながら、一階のロビーに行く。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ