その他テニス
□●恋は人を狂わせる
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「貞治?貞治じゃないか」
データをとるために来ていた不動峰中で、堂々と立海の制服を着ている蓮二に声をかけられた。
関東大会以来会っていなかったし、立海大のデータも取りに行っていないので久しぶりに見た。
俺が立海大に行かないのは理由がある。
……関東大会で蓮二と対戦して、自分の気持ちに気づいてしまったからだ。
「貞治?」
なかなか返事しない俺を不思議に思ったのか、顔を覗き込むようにして見てくる。
「あ、あぁ蓮二…久しぶりだな」
「貞治、お前が今テニス以外のことを考えていた確立78%だ。違うか?」
どき、とした。
何とは明確に言われていないのに、俺が蓮二のことばかり考えていたのを見透かされたようで。
「はは、蓮二には敵わないな…その通りだ」
「わざわざ偵察に来てテニス以外のことを考えていてはいけないな」
微笑みながらだが、その言葉には蓮二のテニスにかける情熱が伝わってくるようだった。
俺もつらてははは、と笑ったが、つい眉根が下がってしまう。
やはりいつ見ても蓮二は綺麗だったから。
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