その他テニス

□●恋は人を狂わせる
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「着いたよ、あがって」
「お邪魔します」

家の中に向かってただいま、と言う。
すると、母親がエプロンで手を拭きながら小走りで出てきた。
母は蓮二を見るなり、嬉しそうな顔をして近づいてきた。

「あら、蓮二くんじゃない!久しぶりね、大きくなって…」
「お久しぶりです、おばさまこそますますお綺麗になられたようで」

2人で微笑みながら嬉しそうに話している。
蓮二も母に会うのが嬉しいみたいだ。

「嬉しいわね、最近の子はお世辞が上手くって!」
「お世辞だなんて滅相も無い」

最初は微笑ましく見ていたのだが、こう長々と玄関に居るのも厳しいものがあるし、何より少し苛だってしまった。
スニーカーの踵を踏んで脱ぐと、何時ものように揃えるのも忘れて蓮二の腕を引っ張った。

「貞治?」

少し驚いたような声を出して、蓮二も慌てて靴を脱いだ。
きちんと俺の靴まで揃えて。




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