その他テニス

□●恋は人を狂わせる
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「ところで貞治、時間があればどこかで話をしないか?」

それは嬉しい提案だったが、俺には厳しい提案だった。
とにかく、この想いがばれてしまわぬうちに蓮二から離れたかったから。
でもここで断るのもおかしい気がして、快諾した。

「ああ、俺も話したいことがあった。是非話をしよう」
「それは良かった。では、どこかいいところはないか?最近はずっと東京に来ていないから土地勘がないんだ」

きっとあの引越しの日からこっちには来ていないんだ。
あの…俺の前から急に姿を消した日から。

「そうか、ならば俺の家に来ないか?気兼ねなく話できるだろう?」

これは賭けだった。
…俺らしくもない。
計算の上に成り立った賭けではなくて、どちらに転ぶかわからないような。
全く、恋は人を狂わせる。
しかし蓮二は綺麗に笑って、首を傾げた。




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