その他テニス
□●前髪越しの恋
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…勿論ウソ。
すると、宍戸先輩よりも先に鳳が口を開いた。
「えぇーっ、宍戸さん行っちゃうんですかっ」
…頭に垂れた耳が見えたのは俺だけか。
「長太郎、あほべの命令なんだから仕方ねぇだろ?すぐ戻ってくっから、な?」
言いながら自分のラケットを鳳に渡しつつ手を握り合う2人。
引き離してやるつもりが、余計ウザイところを見る羽目になった…
そんな一生離れる訳じゃねぇんだから早く行けよ…
小さく舌打ちをする。
「わかりました…すぐ帰ってきて下さいねっ…」
いつの間にか手を離していた2人。
鳳は渡されたラケットを抱き締めながら宍戸先輩を見送る。
「寂しくてもちゃんと練習してろよ?」
何回もコート脇に居る鳳を見返りながら部室に向かう宍戸先輩。
あぁ、既にかなり疲れた。
邪魔者が居なくなったコート内で鳳に近付いた。
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