その他テニス

□●ダックワーズ
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「俺と…キス、したいのか?」

何の躊躇もなくこくりと頷くと、彼がとうとうしゃがみこんだ。
頭を抱えて、唸っている。
俺は同じようにしゃがみこんで、目線を合わせた。

「バネさんは、俺のこと嫌い?」
「…嫌いじゃ、ねーよ……」

見えている耳が真っ赤で、俺の好きなイチゴにそっくりだったから。
ぱくり、と啄ばんでみた。

「っう…!何、すんだよ!」

条件反射なのか知らないけど、飛んできた脚を片手で受け止める。
そのままバネさんを押し倒して、体重をかけた。

「俺のこと、好きになって」

耳元で囁くと、少し肩を竦める。
堅く瞑った目をゆっくり開けて、俺を見据えた。

「…もう、好きなんだよバカ……」




やっぱり中味は甘かった。
俺の大好きなイチゴ味の、ダックワーズ。
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