その他テニス
□●拍手小説格納庫
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[後輩、兼 恋人。]
表情が乏しくて無愛想だと言われる同じ部活の後輩。
俺はそんなことないと思うけどな。
「さっみー…ダビデ、帰んぞ」
「うぃ。」
「腹減ったな、コンビニ寄るか?」
「うぃ。」
「ダビデ、好きだぞ」
「う…!?」
俺内心笑ってる。
めちゃくちゃ顔赤くしやがって、中2の男子に言うことじゃないだろーが、可愛い。
「ダビデ?」
「バネさん、おれも…すき」
「知ってる」
「抱き締めていい?」
「だめに決まってんだろ、行くぞ」
無視してさっさと家路を急ぐ。
だってここは通学路な訳だし、今は誰も居なくてもいつ誰が通るかわかんねーからぜってー無理。
「バネさん、こっち」
「あぁ?」
急にぐい、と腕を引かれて転びそうになるが何とか歩く。
「なんだよダビデ」
「いいから」
着いたのは見覚えの有りすぎる、ダビデの家。
「おい、ダビデっ…」
「家ならいいでしょ?」
何が、とは聞かない。
幾ら俺でもそれぐらいわかる。
「ちょっ…まてって…」
「やだ、待てない」
部屋に入るなり壁際に追いやられて、抱き締められながら顔を近づけてくる。
「ダビ、」
ちゅ。
「バネさん、好き。」
「…〜っ!知ってるっつってんだろ…」
表情が乏しくて無愛想だと言われる同じ部活の後輩。
…いや、訂正。
俺の、こいびと。