校外学習

□●Accio
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「ハイ、ジョージ。ねぇ…」

ふと呼び掛けられた名前は自分のものではないのに、律儀にも立ち止まって「僕はフレッドだよ」と返す。
慣れたものだ。

「あらごめんなさい、ならフレッドでもいいわ。次のホグズミード一緒に行かない?」

なんだそれ。
"でも"いい?
イライラする気持ちを抑えて笑顔を貼り付けた。

「ごめんね、ホグズミードはジョージとリーが3人じゃなきゃやだってうるさいんだ」

そう言うと名前も知らない女の子はあっさり引き下がり、去っていった。
その直後、今度は同じ寮の友人に話し掛けられる。

「よぉジョージ!」

僕はまた「フレッドだよ」と言う。

「じゃあフレッドでもいいや、今度相談があるんだ。聞いてくれないか?」

まただ。
フレッド"でも"いいって何?
僕って何なんだろう。

そう思いつつもまた笑顔を貼り付けた。

「あぁ、もちろんいいよ。悪戯の相談なら特に大歓迎!」
「アハハ、残念ながら違うよ。じゃあまた!」

ひらひらと手を振ると急に気分が悪くなって、教室に向かおうとしていた足を返して部屋に戻った。

バサバサッ
ガタン!
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