その他テニス
□●幼いときめき
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「あの、さ…好き…なんだけど…」
運が悪かった。
まさかバネさんが告白してるとこに出くわすなんて。
だけど、次に聞こえてきた声に…目の前が真っ暗になった。
「ごめん…好きな子が居るんだ」
バネさんが告白してたのは…
サエさん、だった。
「…ははっ、だよな!…冗談だよ!冗談!罰ゲームでさぁ!わりーな、じゃあまた明日!」
明らかな嘘ついて、乾いた笑いで誤魔化したバネさんは、それ以上サエさんの言葉を聞きたくないと言わんばかりに走り出した。
逃げるように。
気付いたら俺は走り出してて、背後からサエさんの驚いた声が聞こえた気がしたけど知らない。
バネさんを追いかけるのに夢中で、どこを走ってるかも分からなかった。
バネさんは、今どこでどんな気持ちで居るんだろう。
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