novel

□Mの日常
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「ヒョクチェ〜…ヒョクチェ〜…」


今、俺たちはMの仕事で中国にいる。
が、さっきから隣りで恋人の名前を連呼する兄さんに嫌気が差す。


「……あの、ドンヘ兄さんうるさいです」

「だってさ、クリスマスでさえもヒョクチェに会えないんだよ!?」


終いにはさっきよりも大きな声で叫び出す始末。


「そういうお前は会いたくないのかよ!!」

「誰にですか?」

「ソンミニ兄さん!!」



兄さんが俺の恋人…ソンミナの名前を出す。
はぁ…。
そりゃ会いたいですよ俺だって。
できるものならクリスマスの夜、二人きりで過ごしたかったですよ。
ソンミナにプレゼントだって用意したんですよ。
ネットでやっと手に入れたのに、可愛いソンミナが見れないと思うと俺の方が泣きたくなるってのに!



「ねぇ、ギュヒョン」

「はい?」


気付いたら近くに寄ってきたリョウクが一言。


「全部口に出てたよ」


笑顔のまま去って行った。


俺はすぐに隣りのドンヘ兄さんを見た。
ドンヘ兄さんは顔を青褪めて「ヒョクチェ助けてぇ〜!!」と泣きながら電話をしている。


俺は心の中でドンヘ兄さんに謝って、自分も恋人に電話するためその場を去った。
 

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