†Serial novel†
□出会いは始まり.
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…….
一体何時間,こうして深い森の中を彷徨っているだろう….
何故だか周りがぼんやりと霞み,視界に入る私の髪の色が色素を失ったかの様に薄くなっていた.
「くっ…はぁ…はぁ…….」
…こんな事で疲れる私では無かったのに.
けど…,今まで以上の膨大なチャクラが私の中に眠っている事は感じる.
今私の身に起こっている事は,全てこのチャクラを手に入れた為の《代償(リスク)》なのだろうか….
……ここの木々は,何も喋らない….
沈黙を護っている.
「………疲れた…なぁ….」
その内の一本の木に寄り掛かり,肩で息をして呼吸を調えると幾らかましになってきた.
しかし,相変わらず霞みがかった世界に,私はもしかしたら一生このままなのでは…等と思い始めていた.
けど,どうする事も出来ないこの状況.
今更足掻く事も出来ず,私は深い闇の世界へと堕ちていった….
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