†Poetry†
□赤と黒の世界
1ページ/1ページ
大切なモノは何時だって
この手をすり抜けて
堕ちていってしまうんだ
何かが 聴こえてきた
何かは 解らなかった
何かが 近付いてきた
何かは 解らなかった
世界が 静かになった
何故かは 解らなかった
寒い
寒い
寒い
凍える様な静寂の中
終わらぬ様な廊下の
その先には
一面の
血
ト
内
臓
ノ
・
・
・
何故かは 解らなかった
死体と
死体と
死体の路を越えて
辿り着いた襖の向こうには
顔の見えない殺人鬼と
まだ新しい
赤い
世界は
赤と黒で出来ているのだろうかと思った
声を上げて泣いた
死ぬ勇気も無い
孤独に耐える力も無い
無力な自分は
復讐の手を取った
無力な子供は知っている
其れが間違いでも
逃げ出す以上に
愚かな事は無いのだから
.