短編
□ありがとう
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午後2時
現実はそんなに甘くなくて、病院ではさくらに会うことさえ出来なかった。
分かったのはトラックに跳ねられ、意識不明の重体だって事くらい。
いや、俺にはそれだけで十分だった。
それ以上詳しく言われても専門的なことなんてわかんねえし、ニュースでよく聞くことを簡潔にまとめて言われたようなもんだ。
さくらの人生は“交通事故”のたった四文字で終わった。
…ふざけんな。
さくらは２５年間生き続けてきたんだぞ。
そんな簡単に終わらせるなんて絶対に間違ってる。
なんて、まだ死んでもいねぇのに、何故か怒り狂ってた。
俺はこのなんとも言えない怒りの矛先をどこに向ければいいのか分からなかった。
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