短編
□ありがとう
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午後1時
けたたましく鳴り響く携帯にウンザリしながらぶっきらぼうに「もしもし」と言うと、ピリピリした空気が電話越しに伝わってきた。
時々俺を本気で騙すドッキリが大好きなオッサンもいるが、これは冗談なんかじゃないと一瞬で分かった。
“西森さくらさんが事故に合いました”
事故った…って怪我したのかよ。
どんだけドジなんだよおめえはよぉ。
どうせプリプリ怒りながら歩いてたからだろ?
でもまぁ…病院行ったら一応心配したフリでもってしてやるか。
実際、考えていたのはその程度の事だったんだ。
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