過去拍手
□【時の描片】番外編6
2ページ/4ページ
27話より【真実の真実】
「帰ろう」
そう言われて手を差し出し、2人並んで歩き出した。
清木場のときとは違う安心感、心地よさ。
これが、恋なんだろうか。
しばらくの間、お互い何も話さなかった。
でもこの居心地は悪くなくて、このままでもいいかなと思ったが、一つだけ聞いておきたいことがある。
「あたしたちのこと、どこから見てたの?」
敬浩「どこから?・・・最初からだけど?」
「そうじゃなくて、場所!」
敬浩「あぁ、うん。
木の裏とか葉っぱの影」
「・・・」
そりゃあ古典的すぎんだろーよ敬浩くん。
もうちょっとかっこよく隠れて欲しかったな・・・
清木場が敬浩に気づいたのは、こういうことだったのか。
自分の最愛の人を、木の裏から他の男が見つめてる光景は、
さぞかし異様だっただろう・・・。
(敬浩・・・お前見えすぎなんだよ)
(もう少し上手く隠れろや・・・)
清木場、すまない。
Next