Novel.1
□Lesson 8a 赤い彗星編
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「あ、おはよ。三人共早かったのね、今日」
「「「・・・・うん・・・・」」」
あたし達が教室に入った時、教室の席には、既にあの三姉妹が来ていた。
よく見ると、三人が三人共、耳まで真っ赤になって俯きながら、席にちんまりと座っていたの。
他の生徒はまだ教室には入っていなかった。
どうやら、まだあの人だかりの中ね。
「つーちゃん達、はっやぁ〜☆ 何分に来てたのぉ?」
「「「・・・・8時10分・・・・」」」
「もしかして、見たの? ・・・・アレ」
「「「・・・・うん・・・・」」」
という事は、昨夜からあのおじさん、あそこに倒れてそのままだった訳?
確かに、あの場所って、通学時間以外は人通りはほとんどない場所だけど・・・・。
「わたくし達・・・・」
「もぉ・・・・」
「「「およめにいけなぁ〜いぃ★」」」
「「・・・・(・・;(・・;)」」
「んな、大袈裟な(・・;)」
あたし達の目の前で、見事に声をハモらせて泣き出した三姉妹。
そんな光景を目の当たりにして、あたし達は呆れるやら困ったやらで、何だか複雑な感じ。
「よぉ、三本柱♪」
そんな時、教室に入ってきたのは学級委員長の黒城君。
「・・・・あ? 何で月影達、泣いてるんだよ?」
「「「・・・・あたし達に聞かれても困る・・・・☆」」」
そして、
「おはようございます♪」
昨日、イケメンの正体を見せた鶴橋君もやって来た。
「あ・・・・あれ? 何で三人共、泣いてるんですか?」
「「「「・・・・わかんない(ねぇ)・・・・☆」」」」
さらに、
「おはようございます皆さん♪」
昨日の朝、あの騒動を起こした酒井田君もやって来た。
「あ・・・・あぁ〜っ☆!! 君達、紡さん達を泣かせたなっ☆!?!?」
「「「「「〜〜〜☆★ 勝手に決め付けるなっ☆★!!!!」」」」」
酒井田君の言葉には、さすがに泣いていた三姉妹まで、あたし達と声をハモらせて反論した。
「あ・・・・申し訳ない」
その後だった。
わらわらと他の生徒達が教室にやって来たのは。
始業時刻のチャイムが鳴るまで、教室の中での話題は、今朝の校門傍での、あのおじさんの事ばかりで持ち切りだった。