Novel.1
□Lesson 5b 赤い彗星編
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「ぬぅぅぅぅぅおぉぉぉぉあぁあぁあぁあぁあぁあああああ〜ぁ!!!!」
突然、時の静寂を打ち破るかのようなストレングスの凄まじい咆哮が、オープンカフェテリアじゅうに響き渡った。
その瞬間だった。
ビシビシビシビシビシィ!! カシャア〜ン!!
両側の校舎の窓ガラスに一斉にヒビが走った。奴に最も近い場所ではガラスが割れ、破片が地面に落ちて行った。
「おおおおおおおお〜!!!!」
再びストレングスの咆哮。今度は“赤い彗星”に向かって、右拳を振り上げ、真正面から突進してくる。
対する“赤い彗星”は、すっとバイクの前に移動すると、迎え撃つ構えを見せた。
「あぁ!!!!」「ふんっ!」
ドゴォ!!
「「「「あぁっ!?」」」」
あたし達の視線の先では再び静寂の時が流れ始めていた。
ストレングスが放った右拳は、“赤い彗星”の左腕で弾かれ、代わりに、“赤い彗星”が放った右掌底打が、ストレングスの右脇腹に撃ち込まれていた。
「ぐっ・・・・うぅ・・・・」
掌底打を撃ち込まれたストレングスが2、3歩後退し、打ち据えられた脇腹を撫で始めた。“赤い彗星”もあたし達も、ただ無言でその光景に視線を送るだけだった。
「・・・・ふっふっふっふっふっ・・・・うあぁ〜っはっはっはっはっはっ!!!!」
「むっ?」「「「「????」」」」
あたし達と“赤い彗星”の視線の先で突然、ストレングスが大声で笑い出した。再び、両側の校舎の窓ガラスがビリビリと鳴り響き、ひび割れたガラスが落ち、砕けて行く。
「Hey You!! 何がおかしかとか!?」
「ははははは・・・・おまえ、強い。ストレングス、嬉しい。楽しい! ワクワクする! 血、たぎる♪!」
“赤い彗星”の問いに、鋭い視線を投げ返しながら言葉を返すストレングス。
しかし、さっきとはまるで別人のような感じを受けた。
何故なら、ストレングスからはさっきまで放たれていた邪気も厳つさもなくなり、瞳の色も柔和な色に変わっていたからだ。
まるで、クローソーから受けた洗脳か何かが解けたかのように。
「ふっ・・・・どうやら、貴様(きさん)も武人の端くれんごたぁな・・・・よかよか♪ 相手しちゃあたい!! 場所替えたい!! Come on!!!!」
バッ!! シュバァァァァァ・・・・
「「「「!?!?!?!?」」」」
再び衝撃のシーンがあたし達の目の前で展開した。
長ゼリフを語った“赤い彗星”がジャンプ一番! 宙を舞っているのだ。
「むほぅ♪!!」
バッ!! シュバァァァァァ・・・・
「「「「またっ!?!?!?!?」」」」
今度はストレングスが跳んだ!
あたし達の視線の先では、空飛ぶボンレスハ・・・・じゃない、“赤い彗星”と筋肉男ストレングスとが跳躍しながら追いかけっこ。
彼らは、広い校庭へと移動しているようだ。
「ねぇ、未帆?」
「何?」
「あたし達も、向かったほうが、いいんじゃない?」
「そ・・・・そう、みたい・・・・だな」
「なら、急ぎましょう!」
とうとう、なるみハートが校庭に向かって駆け出した。
「あ、ちょっとなるみぃ!!」
「あっ、二人とも待って下さぁい!!」
「あぁ〜んっ!! なんかあたしたち、今回おいてけぼりぃ〜っ!!(><;)」
結局、あたし達4人も、校庭に向かう事になった・・・・。