Novel.1

□Lesson 5a 赤い彗星編
2ページ/12ページ


 ・・・・あ、やばっ☆
 思わず妄想しちゃった。

 ぱっぱっ、と妄想の雲を払いのけ、現実世界に戻ってみると、なるみとこやは今だどっぷりと妄想の雲の中・・・・

 お、お、お、お〜い☆ 二人とも戻ってこ〜いっ☆!!

「あ・・・・あのぉ・・・・皆様、大丈夫ですの?」

 こんな中、平然としていられたのは紡、ただ一人だった。

「えっ・・・・(////)」

 呆れ顔の紡の前で、ただ赤面して声を詰まらせる事しかできないあたし・・・・
 てゆーかっ!

「おぉ〜いっ!! こやぁ〜っ!! なるみぃ〜っっ!! いいかげんもどってこぉ〜いっっっ!! あたしがはずかしいだろがぁあぁあああ!!!!(*><*)」

 と、こやとなるみの首ねっこを掴み、がくがく振りまくるしか、この場を切り抜ける手が見いだせない今のあたし・・・・

 は、恥ずかし過ぎるぅ〜・・・・

「あ・・・・あの・・・・みどり、かわ、さま?(・・;)」


 ***


「その先生、今日学校に来たみたいですよ」

「「「えぇ〜っっ!?」」」
 昼休みのオープンカフェテリア。いつもの席で集まるあたし達。そこで放たれたほしの発言に、あたし達3人はただ驚くしかなかった。
「で、どんなせんせーだったのっ!? かっこいいせんせー!?」
 こやが早速食いついた。あたしとなるみもほしに注目する。
「私が、直接逢った訳じゃないです・・・・」
「「「なぁ〜んだぁ・・・・」」」
 あたし達3人はがっくりと肩を落とした。
「でも・・・・」

「「「でもっ!?」」」

 ほしの言葉に再び食いつくあたし達。
「同じ学年の子から聞いた話だと」
「「「ふんふんっ」」」
「大きな身体をした」
「「「ふんっ」」」
「金髪の外人の男の人が、大きなバイクに乗って・・・・」

「「なんか・・・・」」
「かっこよさそうっ♪」

 ほしの言葉を聞き入るあたし達の中で、イメージが膨らんで行く。大きなバイクを駆るワイルドな感じの外人男性の姿が、あたしの脳裏に浮かんできた。

「てゆーか、結構渋い感じじゃない? その先生♪ 例えば、シュワルツネッガーみたいな♪」
「違うよみほっち〜☆ ぜったいトム・クルーズ♪!」
「そうかしら・・・・あたしはぁ」

「未帆さん、なるみさん、こやさん」

 なるみの言葉を断ち切るように、ほしが語りかけた。
「この話、まだ続きがあるんですよ」
「「「どんな?」」」

「その人・・・・九州弁をしゃべってたそうです」

 どんがらがっしゃあ〜んっ☆!!

「「「あ・・・・」」」
 ほしの次の言葉で、あたし達が抱いていたイメージは見事に打ち砕かれた。当然、あたし達3人はその場でずっこける事しかできなかった。

 外人さんが九州弁って・・・・あまりにもイメージが合わなさ過ぎる☆

「み、未帆さん? なるみさん?? ・・・・こやさん???」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ