Novel.1
□Lesson 4
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「へ、へ、へ、兵隊さんの、お化けぇ!?!?(@@;;;;」
「なるみ‥‥それ、ホント?」
「そうなのぉ。ホン‥‥トにっ、恐かったんだからぁ」
次の朝のホームルーム前。あたしは昨夜見た事を未帆とこやちゃんに告白した。あたしが談義する間、未帆はどんどん顔が青ざめ、こやちゃんはどんどん涙目になって行く。
「傷だらけの兵隊さん達が、歩きながらうめくの‥‥痛い‥‥苦しい‥‥水、水をくれ〜って‥‥」
「いやぁあぁあぁあぁ〜〜〜〜〜っっっっ☆!!!!(><)」
こやちゃんがとうとう泣き崩れてしまった。元々、お化けの類が大嫌いなこやちゃんなだけに、恐がり方も人一倍。いつものお元気ぶりも、この時ばかりは、その影すらない。
「もぉいーよぉ(T_T)」
「学校の怪談ってよく聞くけど、まさかうちででも、それがあるなんて‥‥(・_・;」
「あたしも、今だに信じられなくって‥‥まさかあたし自身、それを体験するなんて、思わなかったわ」
普通、お化けや怪談なんて真夏の風物詩。でも季節はまだ梅雨前。
いくら何でも、早過ぎる。
−−−ここから三姉妹サイド−−−
廊下の踊り場で、何やら立ち話をしている三姉妹。どうやら、話の内容は作戦会議のようだ。
「紡‥‥あんたの考えた今回の作戦、ホントに‥‥うまくいくの?」
「あたしも、ちょっと‥‥心配だなぁ」
「大丈夫ですぅ♪。第一、女の子でお化けが苦手じゃない子なんて、そうそういませんですもの。だからこそ束ちゃん、あの子を起こしたんでしょ?」
「そ‥‥そりゃまぁ‥‥そうだけど」
何事もないように、嬉々とした表情で語りかける紡。その反面、顔がすっかり青ざめてしまっている束と羽佐美は視線が定まらず、額には冷や汗を浮かべていた。
「つむぎ姉‥‥お願いが、あるんだけど‥‥(_ _;」
「あたしも、実は同じ事が言いたい‥‥」
「何?」
「「あいつにひとこと言ってよぉ! 昼夜関係なく呼び込まないでって! せめて夜だけにしてちょーだいってっっ★★!!(><)(><)」」
そう束と羽佐美が言うのも無理はない。踊り場の暗がりの中を、無数の亡霊がうごめいていたからだ。亡霊の中には、三姉妹の間近まで近寄って来たり、肩に乗るものもいた。
「あら。どうして?」
「「あたしたちだってお化け苦手だもんっ!! キライだもんっっ!!」」