Novel.1

□Lesson 3
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 そしてホームルームが始まった。あたしも教室に戻って、たまき先生が入ってくるのを待った。

「おはようさぁん!」「みんな、おはよう」

 いつものように、たまき先生が入ってきた。もちろん、新潮先生もいっしょ♪

「きりぃ〜つっ! 気をつけっ! 礼っ!」

 礼が終わって、顔を上げた。ところが、今日はたまき先生の「おやくそく」がなかった。
「あれぇ? たまき先生、おやくそくはぁ??」
「今朝はわい、キョ〜レツなモン見てもぉたから、ネタ忘れてもうたんや」
「きょーれつなもんって、何ですか?」
 今の声はみほっち。

「今日の当番の顔や」

 ドッキィ〜ンッ!

 あたしのハートを直撃したたまき先生の一言の後、ほとんど同時に教室中から笑い声。その瞬間、あたしの顔から火が出た。
「たまきせんせぇ〜っ☆!(*><*)」
「あん時の蒼河の顔ぉ、ほんまキョ〜レツやったで。ちょっとやそっとじゃお目にはかかれへんわ」

「ひぃっどぉぉぉぉ〜〜〜〜〜いぃ☆!!!!」

「はい、全員着席〜!」
 あたしの金切り声の直後、間髪を入れずに新潮先生の声が飛んできた。まるでその声に反射するように、あたし達は自分の席に着いた。
 もちろん、他の生徒の笑い声もぴたりとやんだ。
「今日は転校生を紹介する。みんな、新しい仲間と仲よくやってくれ」

「「「「「はぁ〜い!」」」」」

「じゃ‥‥三人とも、入ってきて」

 えっ? 三人??

 その時、教室の戸がわずかな音を立てて開き、三人の女子生徒が入ってきた。
「あぁ〜? 何だ女子かよぉ」
「野郎ならよかったのによぉ‥‥」
 と言う、がっかりしたような男子達の声。
「あら? 三つ子?」
「めっずらしぃ〜。三つ子の転校生だなんて」
 と言う女子軍団の声の中、あたしの背中には電気のようなものが走っていた。

 そう。あの時、職員室にいたあの3人が、転校生だったの!

「あぁ〜っ!」「あぁ〜っっ!」
「「あの時のっ!」」
「抱きつき魔っ!!」「ばかオンナっ!!」

 あたしと、3人の内のお団子ヘアの子との視線がばっちり合った瞬間、あたしと彼女との声がハモって教室の中に響いた。しかも、お互いを指差しあった状態で。
 さらに、お互いへの第一声がお互いの心を貫きあった。
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