Novel.1

□Lesson 2
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「今朝のこと、みんなどう思う?」
「う〜ん‥‥なんて言っていいか、わからないわ」
「確かに、謎よね」
 昼休みのオープンカフェテリア。私達4人が屯している中等部校舎側の一番隅のテーブルはほとんど、私達の指定席となっていた。
「やっぱさぁ♪ ここはあたしたちの出番、ってとこじゃないっ? なにせあたしたちはセーラー‥‥」

「「「わぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 一瞬爆弾発言をしそうになったこやさんを、私達は必死に押さえ込んだ。なるみさんと私は口を押さえ、未帆さんに至っては、こやさんの首に腕を絡めてチョークを決めていた。
「ばかっ。それを言っちゃおしまいだよっ」
「そうよ。時と場所を考えてよね」
「それは、秘密です」

「ぎ‥‥ぎぶ、ぎぶ‥‥」

「とりあえず、しばらく様子を見ましょうよ‥‥ね?」
「うん、そうだねっ。もしかすると、事件の真相もわかるかもしれないし」
「そうそう。場合によれば「出動」も考えとけばいいし」

「どうでもいいですけど‥‥なるみさん、未帆さん‥‥こやさん、落ちてます」
 私がそう言った時、既にこやさんは未帆さんの腕の中で泡を吹いて、見事に気絶していた。
「「えっっ!?」」

 未帆さん、やりすぎ。

「わぁぁぁぁぁぁ!! こや、ごめんっっ!!」
「こやちゃん目を覚ましてぇ〜っっ!!」

 ‥‥ばかばっかり。


 次の朝から、私達は早朝から四ヶ所ある渡り廊下の近くに、一人一人隠れて監視を始めた。
 さて、追螺先輩に始まった毎朝の逆さ宙ぶらり事件は留まることがなく、次の朝も、また次の朝も生徒や先生が宙ぶらりんにされ続けた。犯人の姿は今だに掴めないままではあるけど「逆さ宙ぶらり」は不思議な事に、生徒通用口のある側の渡り廊下でしか起こっていないことがわかった。
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